2022年02月14日

脱ハイブリットポジション

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「大きく振りかぶってピッチャー第一球を投げました!」


ワインドアップポジションから投げる投手が少なくなりましたね。


大きく振りかぶらないノーワインドアップ


またはランナーがいなくてもセットポジションから投げる投手が増えました。


ワインドアップポジションでもセットポジションでも


球速に変わりがないことが証明されてきたからのようですね。




アメリカの高校野球NFHSの資料ですが


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ワインドアップポジション


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セットポジション


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そこからもう一つ

ハイブリットポジションと呼ばれるワインドアップでもセットポジションでもない投球姿勢が流行してしまったそうです。



NFHSの規則6-1-2ではワインドアップポジションでは自由な足の位置をプレートの前縁線上、または後ろにとされています。アメリカの高校野球でハイブリットポジションは規則違反ということですね。

6-1-2 For the wind-up position, the pitcher is not restricted as to how he shall hold the ball. A pitcher assumes the windup position when his hands are: (a) together in front of the body; (b) both hands are at his side; (c) either hand is in front of the body and the other hand is at his side. The pitcher’s non-pivot foot shall be in any position on or behind a line extending through the front edge of the pitcher’s plate.





もしあなたが一塁走者だったとしたら

「自由な足がプレートより前にあるからセットポジションだ!」

「あれれ?自由な足を一歩引いてから投げたぞ、ワインドアップじゃないか???」

このハイブリットポジションでは走者が騙されますよね。



そこで2017年に作られたMLB規則

Rule 5.07(a)(2) Comment (Rule 8.01(b) Comment): With norunners on base, the pitcher is not required to come to a com-plete stop when using the Set Position. If, however, in theumpire’s judgment, a pitcher delivers the ball in a deliberateeffort to catch the batter off guard, this delivery shall bedeemed a quick pitch, for which the penalty is a ball. See Rule6.02(a)(5) Comment (Rule 8.05(e) Comment).

With a runner or runners on base, a pitcher will be presumed tobe pitching from the Set Position if he stands with his pivotfoot in contact with and parallel to the pitcher’s plate, and hisother foot in front of the pitcher’s plate,

unless he notifies theumpire that he will be pitching from the Windup Positionunder such circumstances prior to the beginning of an at-bat.A pitcher will be permitted to notify the umpire that he ispitching from the Windup Position within an at-bat only in theevent of (i) a substitution by the offensive team; or (ii) immedi-ately upon the advancement of one or more runners (i.e., afterone or more base runners advance but before the delivery ofthe next pitch).

日本では2018年5.07(a)(2)【原注】
 塁に走者がいるときに、投手が投手板に軸足を並行に触れ、なおかつ自由な足を投手板の前方に置いた場合には、この投手はセットポジションで投球するものとみなされる。
セットポジションの投球姿勢を明確にしました。


そして2022年改正で

(2)5.07(a)(1)【注1】を削除し、同【注2】を同【注】とする。

→ワインドアップでも自由な足の置き場に制限がなくした。


(3)5.07(a)(2)【注1】を削除し、同【注2】以降を順次繰り上げる。

→なので、走者が塁にいないとき、ワインドアップと同じようにセットポジションも完全静止する必要はなくなった。

(7)巻頭(13ページ)の「投球姿勢」を改める。

→セットポジションを走者がいるときEFGだけとした。
 それ以外は全てワインドアップポジション
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広がり始めてしまったハイブリットポジションを、
セットポジションを明確に区別することで
元からあるワインドアップポジションとセットポジションの二つに戻したかった。

そんな2022年規則改正に見えます。


しかしアマチュア野球では
5.07(a)(1)
【注1】 アマチュア野球では、投手の軸足および自由な足に関し、次のとおりとする。
 @ 投手は、打者に面して立ち、その軸足は投手板に触れておき、他の足の置き場所には制限がない。ただし、他の足を投手板から離して置くときは、足全体を投手板の前縁の延長線より前に置くことはできない。
 A 投手が@のように足を置いてボールを両手で身体の前方に保持すれば、ワインドアップポジションをとったものとみなされる。
5.07(a)(2)
【原注】 走者が塁にいない場合、セットポジションをとった投手は、必ずしも完全静止をする必要はない。
【注1】 アマチュア野球では、本項〔原注〕の前段は適用しない。
二つの【注1】は削除せずに今まで通りの方がよいかとなぁと考えます。
あった方が選手は迷わなずプレイできそうです。






posted by metoo at 17:59| 千葉 ☁| Comment(0) | 規則 | 更新情報をチェックする
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