2022年の改正で最も大切なのは
(2)5.07(a)(1)【注1】を削除し、同【注2】を同【注】とする。
(3)5.07(a)(2)【注1】を削除し、同【注2】以降を順次繰り上げる。
(7)巻頭(13ページ)の「投球姿勢」を改める。
この三つ
ポイントは
「セットポジションって何ですか?」
ここを説明できるかどうかです。
そもそもセットポジションとは何か?
セットポジションは、走者が簡単に盗塁出来ないよう投球時間を短くするために考えられた。近年は走者がいなくてもセットから投げる投手が多いが、もともとセットポジションは走者がいる時ににしか使わなかった。
− metoo (@metooDX) January 31, 2022
Set Position | Glossary | https://t.co/UgUSyEYmlu https://t.co/9uheNtiNkO
セットポジションはランナーがいる場合に使われた投球姿勢です。
陸上競技でいうと
・On Your Marks (位置について)
・Set (用意)
・Bang!(スタート)
これが野球のセットポジションの意味じゃないかと考えます。
ランナーがいて投手はセットして(用意)を設定する。自由な足を上げてスタート!
そのランナーにスタート合図を送るのがセットポジション。
なのでランナーがいない時は全てがワインドアップポジションとなります。
これが今回の規則改正の目玉です。
(2)5.07(a)(1)【注1】を削除し、同【注2】を同【注】とする。
→ワインドアップでも自由な足の置き場に制限がなくなった。
(3)5.07(a)(2)【注1】を削除し、同【注2】以降を順次繰り上げる。
→なので、走者が塁にいないとき、ワインドアップと同じようにセットポジションも完全静止する必要はなくなった。
(7)巻頭(13ページ)の「投球姿勢」を改める。
→その結果
5.07(2)【原注】塁に走者がいるときに、投手が投手板に軸足を並行に触れ、なおかつ自由な足を投手板の前方に置いた場合には、この投手はセットポジションで投球するとみなされる。
今回の規則で一番重要なポイントはこの5.07(2)【原注】です。
ここを抑えてから規則改正(2)(3)(7)を見ると素早く納得できるかと思います。
セットポジションは、走者がいるときのみDEFの図になりました。
それ以外は全てワインドアップです。
『どうせワインドアップで投げてもランナーを出してしまったらセットポジション、だったらセットポジションだけを教えよう』
近年の野球指導では指導時間の短縮を求めるせいかワインドアップを教えずにセットポジションだけを教える傾向があります(私もありました)。セットポジションの方がバランスがコントロールが整いやすい、ワインドアップと球速が変わらないなど、他にも理由が考えられますが、本来のセットポジションの意味や目的、その為の規則をもう一度整理するのが今回の規則改正なのかなと感じております。
ちなみにですが MLB OFFICIAL RULES 2021 だとまたちょっと違ってきます。
With a runner or runners on base, a pitcher will be presumed to be pitching from the Set Position if he stands with his pivot foot in contact with and parallel to the pitcher’s plate, and his other foot in front of the pitcher’s plate,
ここの訳が
塁に走者がいるときに、投手が投手板に軸足を並行に触れ、なおかつ自由な足を投手板の前方に置いた場合には、この投手はセットポジションで投球するとみなされる。
ですが
unless he notifies the umpire that he will be pitching from the Windup Position under such circumstances prior to the beginning of an at-bat.
ただし、打席に入る前に、そのような状況ではワインドアップポジションから投球することを審判員に通知した場合はこの限りではない。
MLBでは「次の打者はワインドアップで投げるよ!」と審判に申告していればセットポジションでもワインドアップになっちゃうんですね。
先日の上沢投手のボークですが
日本ではボークですが、メジャーでは申告していればボークにはならないんですね。
なんだか不思議です。。。
2022年、高野連ではここは改正せずに今まで通りだそうです。
特別規則で付け加えるでしょう。
少年野球も今まで通りでいいと思います。
「セットポジションはきちんと静止してから投げる」
セットポジションを選手に指導するときには
位置について
用意(セットポジション完全静止)
ドン!
ここをまずしっかり教えてあげましょう!