2012年05月22日

投手のグラブの使い方

先日、NHKのスポーツニュースで小宮山悟さんがダルビッシュ投手について解説していました。

番組の中で、「ノーラン・ライアンのピッチャーズバイブル 」の本を書かれたトム・ハウスさんへのインタビュー取材が流れて

「こうすればダルビッシュ投手はもっと速いストレートを投げられる!」

それを具体的に小宮山さんが解説してくれたのが下の図です。

120522.jpg
AとBはどちらが強い力で押せるでしょうか?

Aはグラブを抱え込むタイプ
Bはグラブを体から離すタイプ

Aの方が強く押せるでしょ。と解説してました。

おおげさに書くとダルビッシュ投手はBの位置。

トム・ハウスさんと小宮山さんは、ダルビッシュ投手がグラブを抱え込むように使えばもっとストレートは速くなる!と進めていました。


それに対してダルビッシュ投手のツイートです。

12052201.jpg

「速い球を投げるためのフォームじゃないので、それをすると変化球がだいぶ無くなるんですよ」

(グラブの位置、使い方によって)
変化球が無くなる
(投げられない、もしくは投げにくい変化球がある)
そういう考え方だったんですね。
なるほど!

そして次のダルビッシュ投手のツイート。
どなたかから質問に応えています。

質問内容
「ストレートを投げる時だけこのフォーム(グラブを抱え込む)にすればいいのでは?」
「フォロースルーだけなら球種がバレるとか無いでしょう」

12052202.jpg

ダルビッシュ
「フォロースルーに行くまでの動きを変えなければ無理です。」
「速い球を投げるためのフォームじゃないので」


ダルビッシュ投手は、
速いストレートを投げる方法も理解し、
変化球が投げやすいグラブの使い方も理解し、、
自分で何がベストかわかってそうしていたのですね。



ということで、

実際にプロ野球の変化球投手を探してみると、

例えばスライダー投手と言えば?

lio12051405060002-p2.jpg

西武ライオンズ 西口投手のグラブの使い方。



体全体でボールをスライダー!させてるフォームに見えます。

グラブを抱え込むよりも、

グラブを後に巻き込むようにしたほうが体を回転させやすい、

そういうイメージに見えます。


12052204.jpg

そこで考えてしまうのが 斎藤佑樹投手

高校時代と投球フォームを大きく変えています。

大学、プロとなり、

踏み出した足に体重が乗らないフォームに変わってます。

その理由を想像してみると・・・

何かを投げやすい投球フォームだからではないでしょうか?

その何かはわかりませんが。。。

踏み出した足に体重を乗せるというより、

踏み出した足で体重を戻そうとするような投球フォーム。

ボールに強烈な縦回転のスピンをかけたがっているように見える体の使い方。

彼が言う「速いストレート」を投げたがっているようには思えない。

しかし彼は何かを投げようとしている。

ツーシームをより効果的にするために、フォーシームのボール回転数アップが狙いなのか?

誰か本人に聞いてみてくれないでしょうか?^^


話が斎藤佑樹投手にそれてしまいましたが、
早実時代の恩師、和泉実さんの記事です。

Number Webより
-------------
投球フォームの是非を論じてもしょうがないと語る恩師。

 また昨シーズン、斎藤はフォームのことで評論家などから散々酷評された。いわく、あの投げ方では勝てない、等々。

 だが、それに関し、和泉は実に真っ当な疑義を呈していた。

「野球はフィギュアスケートじゃないんだから。指先から離れたボールが打者に行くまでの話をどうこういうのはわかる。でも、それ以前の投げ方がどうこうという話は、あんまり意味はない気がする」

 先日、あるプロゴルファーが、こんな話をしていた。

「学生時代に活躍したプロゴルファーがプロに入ってあんまり活躍できないのは、日本のゴルフ界って、『プロに入ったら、こういうフォームで打たなきゃダメだ』みたいなのが多すぎるからだと思う」

 つまり、結果を出すことではなく、いいフォームで打つことが目的となってしまっているというのだ。それでは本末転倒だ。まさに、それでは「採点」競技になってしまう。

 だが、野球界にも少なからずそういう傾向はある。

 恩師の慧眼は、あなどれない。
posted by metoo at 14:03| 千葉 ☔| Comment(5) | ピッチャー | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
良いフォームで投げることが目的になっちゃダメか・・・
確かにそうですよね。良いボール(打たれないボール)を投げることが目的ですもんね。
でも。。。故障しにくいフォームっていうのもあるんだろうし・・・
難しぃ〜!
Posted by PAT at 2012年05月22日 21:46
私も左手をダラ〜ンとして投げます。抱え込むと不安定な感じで出来ないんです。
気がついたらそういうフォームで、さんざん直そうと色んな指導者が挑戦しましたがダメでした。(笑)

あっ、因みに私は練習試合と草野球でしかピッチャーやったことありません。(爆)
Posted by 少年野球コーチ at 2012年05月23日 06:10
この放送見てました。
ずーっと気になっていました。グローブダラ〜ん。
そんな理由が有ったんですね。
でも、腕の軌道が一定に成る様にするには、
投げた腕はグローブの下が良いと思うのですが。
Posted by 穴金空歩人 at 2012年05月23日 23:14
◆PATさん、ありがとうございます。

>故障しにくいフォームっていうのもあるんだろうし・・・

関節が伸びきらない?が最近のテーマです。


◆少年野球コーチさん、ありがとうございます。

私はリリースした後はダラーンとするタイプです。

「速い球を投げるためのフォームじゃないので」

この言葉、一度は使ってみたいですね^^


◆穴金空歩人さん、ありがとうございます。

NHKのスポーツニュースにツイッターで海外から本人がコメントをする。
考えてみるとすごい時代ですね^^

>腕の軌道が一定に成る様にするには、
>投げた腕はグローブの下が良いと思うのですが。

faridyuさんに聞いてみましょうか?^^
Posted by metoo at 2012年05月24日 10:12
この内容、タメになりますね。
私の所でも取り上げたくなる内容ですね。
Posted by TSS at 2012年05月25日 21:46
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