2006年05月18日

「タメ」と「カベ」その2

「タメ」とは
体の中で一番重たい頭の位置を

頭をタメる

では「カベ」とは何でしょう?
何のカベでしょう?

頭のカベ

今日は、子供達に質問されてもいいように、
先に答えを出してから考えてみる事にします。

頭の位置を押える役割が「カベ」

良くゴルフでも
「左のかべ」(右打ち)
「体が開くのを押えるカベ」
などと言葉を使いますが、実際に「何のカベ?」と思ってしまいました。

頭の位置(重心)はカベが無いと早く進んでしまい
タメのない頭の重さを使えないフォームになりやすいから



では「カベ」の作り方を考えます。
「カベ」には上半身、下半身の2つの考えが浮かびます。

2つとも、頭の位置(重心)を押える事が目的です。

上半身は、
グローブの腕で「カベ」を作ります。
肩甲骨の外転→上腕の内旋→前腕の回内

詳しくは グローブの使い方「上下上」 もご覧下さい。

tame03.jpg

○は、大げさに書きましたが、
胸のマークは見えても、
肩甲骨の外転→上腕の内旋→前腕の回内
肩は閉じています。
つまり「カベ」があります。
頭の位置(重心)が活かせるでしょう。

×も大げさに書きましたが、
背中のマークを見せて、
肩を閉じてるように見えますが、
肩甲骨の内転→上腕の外旋→前腕の回外
肩は開いています。
「カベ」がないフォームです。
つまり、頭の位置(重心)が早く進んでしまい、
タメがなくなってしまいます。

下半身は
踏み出した足で「カベ」を作ります。
股関節の内旋させます。

tame04.jpg

下半身の「カベ」がないと、頭の移動が意味の無い方向に行ってしまいます。頭の位置(重心)を正しい方向に押える役割と言ってもいいでしょう。


立花氏の解説で「内→外→内」と私がとらえた部分があります。
これを図にしてみると

uti01.jpg
@内(頭の位置のカベ)
グローブの腕
投げる腕
肩甲骨の外転→上腕の内旋→前腕の回内

soto01.jpg
A外(頭の位置を開放して重心移動を爆発へ!)
グローブの腕
投げる腕
肩甲骨の内転→上腕の外旋→前腕の回外
振り出した足
股関節の内旋

uti02.jpg
B内
投げる腕
肩甲骨の外転→上腕の内旋→前腕の回内
振り出した足
股関節の内旋

大切なのは@とAまでは
左右の腕が同じ動きをしている事です。


頭の位置を残す「タメ」
頭の位置を押える「カベ」

この2つの関係を整理すると
グローブの腕による「カベ」で、頭の移動を押さえて「タメ」を作る。

では、タメによって、本当に速い球が投げれるのでしょうか?

これはステイショナリーをやると解りやすいでしょう。

ido01.jpg
後から前へ投げるのと

ico02.jpg
前からそのまま投げるのと

比較して見た結果をまとめると、

グローブの腕による「カベ」で、
頭の移動を押さえて「タメ」を作れると、
体の中で一番重たい頭の位置である
「重心」を運ぶ時間と距離が長くなり、
体を回転させる加速が高まり、
速いボールを投げる事が出来るでのではないでしょうか。


はぁ〜たくさん絵を書きました^^
(仕事してんのか〜!)

posted by metoo at 17:27| 千葉 ☔| Comment(18) | TrackBack(0) | 投げる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すごい作業量です!感激します!
この記事の内容で、意見が異なるところが一箇所だけあるのですが、それ以外は私が勉強してきたこととまったく同じです。良かったなー、私も知識がついてきたような気がします。
Posted by 満木 月風 at 2006年05月19日 10:21
素晴らしい^^!!!!!
ただただ・・・・素晴らしい・・・!^^
 もう・・・この道で飯を食べましょう!
  勉強になります^^
Posted by Shin at 2006年05月19日 10:48
>左右の腕が同じ動きをしている事です。

バランスを保つために同じ動きになるのでしょうね。(良く分かっていませんが^^)
バランスの悪さを修正しようとして、体が傾いたり、無駄な動きになったりするんだと思います。

違うかな?イマイチ自信ありませーん^^
Posted by 背番号29 at 2006年05月19日 11:59
感動ものですね!
拍手喝采ものです!
大筋で私も同意見です。
一箇所だけ異論のところがあるのですが、それは私論です。
詳しく言うと、A,Bはリリース前後なので全く同意なのですが、@は何のためにある動作なのかです。
@の時に、通常、右ひじを吊り上げるようにしてトップまで持っていこうとしますが、(人によって)あの動作は肩に痛みを伴う場合があります。「なぜ、肘から吊り上げる動作でなければならないのか?」@の目的を完遂するためには「肘から上げ」だけが正解ではないと思っているんですよ。
Posted by touch at 2006年05月19日 13:07
満木 月風さん、ありがとうございます。

>意見が異なるところが一箇所だけあるが・・・

これで飲む機会が、またつくれそうですね!^^
こういう会話が始ると、あっ!という間に深夜2時ですからね〜
野球談話でまた盛り上がりましょう!
Posted by metoo at 2006年05月19日 13:58
Shinさん、ありがとうございます。

ゴルフをされていたShinさんの方が、タメはカベは実感があると思います。

「カベってなーに?」

ノブくんや子供達に質問された時、ゴルフの経験を活かしてあげて下さい。
Posted by metoo at 2006年05月19日 14:01
背番号29さん、ありがとうございます。

>左右の腕が同じ動きをしている事です。

この動きはとても安全な動きだと思っています。

たとえばラジオ体操の2番目の動きで、両腕を上げてみましょう。

なげるその2上から投げるの上ってどこ?
http://metoo.seesaa.net/article/4765666.html

この上げ方は自然に左右が一緒に動きませんか?投げる腕、グローブの腕、両方の動きが同じ方が体に負担は掛かりにくいと思っています。
Posted by metoo at 2006年05月19日 14:07
touchさん、ありがとうございます。

https://metoo.up.seesaa.net/image/cc203.jpg

まず上の絵を見て頂きたいのですが、子供達に教えているキャッチャーの投げ方です。いつブログにするか?は未定ですが^^

>「肘から上げ」だけが正解ではないと思っているんですよ。

なぜ、肘から上げるのか?「肘から先にあげてしまえば、肩より肘が上がりやすいから」きっとこんな答えを出す方がたくさんいらっしゃるでしょう。

私の考えは、
「グローブの腕と同じ動きをした方が上がりやすくて簡単なのでは?」

グローブの腕が内旋で肩の開きを押えるならば、投げる腕も内旋していればいいと思っています。
ひじの上げ方は、左右同じに!でどうでしょう?
Posted by metoo at 2006年05月19日 14:18
metooさん、コメントいただきありがとうございます。
私論ですが、@は必須でないと考えています。Aでリリースの準備に入ってBでリリース(最大の力を出す)とすれば、@はなくても可能です。
つまり、「内→外→内」でなくとも「外→内」でよいのではないかと。
野手(捕手を含め)を考えた場合、1つの工程を除くことで動作が速くなります。
そして、急がなくても良い投手の場合、「(内)→外→内」という感覚でよいのではないかと。
極論でいえば、自分のリズムで「外」になれば良いわけで、前もって「外」のポーズでいてもいいわけだと思っています。
ここで言う私の「外」のポーズとは「トップ」も意味します。つまり、思いっきり「外」の状態がトップで、そこから「内」への力で球に力が込められると思っています。
であれば、「内→外→」まではやさしくして最後の「内」だけに力を込める。→の部分は力の方向の切り返す部分ですから筋肉へ余分な負担がかかってもおかしくないと思いますから、できるだけ優しいほうが良いと思っています。
あくまで私論ですよ(笑)。
Posted by touch at 2006年05月19日 14:49
何度かサーバーに蹴られちゃった(笑)。

極論と思われるかもしれませんが、私はA、Bで十分だと思っています。
野手の場合(捕手も)、@はスピードの点で省いたほうが良いと思っています。
投手の場合も@は必須ではなく、トップの時点でAが完了の状態に行っていれば良く、@から始める必要はないと考えています。つまり、足を上げ、ステップし、トップを決める中で@Aがあるとすると、腕を右左にねじらなければならず、その切り替えでの筋肉へのねじれ負荷を考えると必要がないように考えています。
あくまでBが重要なのであって、そのための逆負荷をかけるAは必要かと思いますが、その方法はフォームの中でそれぞれ多様だと思っているんです。
あくまで私論ですが。
Posted by touch at 2006年05月19日 15:22
touchさん、ありがとうございます。

AからBへの加速運動と考えると、@での筋肉の緊張は、仰るとおり省きたい動作ですね。touchさんがトップの位置を特に意識されてると感じますが、トップの位置に緊張が無く、入りやすい準備動作を@と考えると良さそうですね。

私の自論ですが^^
「後小さく、前鋭く深く」が子供達に、私が良く使う言葉です。
あまりバックスィングを大きくしすぎて、肝心の前に腕が振れない子供達が多く見られます。
@を気にしすぎて、肝心のAからBに力が入りすぎる子もいます。

この辺りは後日ブログにしてみますので、また私論^^お待ちしてます!

Posted by metoo at 2006年05月19日 17:32
おっしゃる通り、私はトップが重要だと思っています。
というのも、流れの中でいいかげんなトップを作る投手でコントロールが安定している投手というのは珍しいからです。
完投しようと思うと、後半は下半身が疲れてきます。とすると、自分では気づかないうちに体の力のバランスが崩れてきます。そのときに、トップがいいかげんな投手はコントロールを乱しやすいと考えています。
あくまでトップはいつ、どんなときも空中定点で。
これが私論です(笑)。
Posted by touch at 2006年05月19日 19:08
>「後小さく、前鋭く深く」が子供達に、私が良く使う言葉です。
あまりバックスィングを大きくしすぎて、肝心の前に腕が振れない子供達が多く見られます。

確かにおっしゃる通りだと思います。
ただ、最近のうちのシニア入りしてくる子達を見ているとそれが行き過ぎている感があり、逆にそれで腕が振れてない場合が多いと思います。つまり、体が大きく前へ流れて、腕が出てくるのが遅い。軸足側押しが利いてなく、腕だけで投げている・・・・
程度問題なので難しいですね。
Posted by touch at 2006年05月20日 12:02
touchさん、

一緒に飲みたくなりました^^
いつか実現させてください!

Posted by metoo at 2006年05月20日 23:35
>一緒に飲みたくなりました^^
いつか実現させてください!


そうですね。いつか実現したいですね。

トップに関して、私はうるさい方でしょう(笑)。
でも、こう考えているんです。
投手をアーチェリーに例えてみます(たとえが良いかそうかわかりませんが)。
弓を引く右手の位置がトップ。左手がリリース。
左手の位置が上下にぶれれば、的に当たりませんよね。
さらにそれを引いた右手がぶれていても、飛び出し口は同じでも方向がぶれてしまうでしょう。
この二つの手の位置は一定で微動亡き状態で初めてコントロールがつくものでしょう。腕立てを100回やった直後に震える腕で弓を射っても、コントロールがつかないでしょう。
一方、投手の場合、リリースの時点では動きの中です。そして、トップも動きの中ですよね。だからコントロールが難しい。
試合後半となれば、筋力トレーニング直後と同様ではないでしょうか。
だから、リリースはもちろん、トップにこだわるんです。
Posted by touch at 2006年05月22日 12:03
夏休み7月8月頃ですが、touchさんのチームを見学しに行ってもいいですか?土日をはさんで毎週全国行脚に出ようと思っています^^
Posted by metoo at 2006年05月22日 16:53
大歓迎します!
と言いたいんですが・・・
実は長男、次男ともに最後の夏。
たぶん、ですが、、私自身が東奔西走している可能性があるんです。。。
思いと違って、あっさり負ければ別ですが(笑)。
Posted by TOUCH at 2006年05月22日 17:25
touchさん、そう言えば最後の夏でしたね!
私は試合よりも練習に興味があります。アップからキャッチボール、試合後のグランド整備まで、高学年には?低学年には?練習を見て、だからこういう試合運びをするんだ〜などと勉強できればと思います。
しばらくチームを抜けれるようにお父さん方と調整してますので、もう少しお時間を下さい。
Posted by metoo at 2006年05月22日 17:30
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