(私はお腹がすいてます。何か食べ物を下さい)
普段は「腹減った」の一言で済んでしまう言葉を、
声を使わずにジェスチャーで伝えなさい。
お腹をさすりながら
手を差し伸べるジェスチャーをしました。
大体の人にはこのジェスチャーで伝わりますよね。
次に
(私は野球が大好きです)
(私は毎日練習を頑張っています)
(私は親に感謝しています)
どれか一つをジェスチャーで、
言葉を使わずに思いを伝えなさい。
これはジェスチャーでできませんでした。
気持ちや思いを伝えることは、
技術を伝えるよりも難しいと思っています。
では、どうやったら相手に思いを伝えられるだろう?
野球が好きです、頑張ってます、感謝してますと、
言葉や文章で伝えることはできますが、
行動(ジェスチャー)であらわす事もできると思います。
野球が好きです
↓
グローブを磨く、スパイクを磨く、道具を大事にする。
頑張ってます
↓
全力疾走
感謝してます
↓
挨拶や返事
思いや気持ちを伝えるには
言葉だけでなく行動も大切だということを息子に伝えました。
甲子園大会が始まる前に、
智弁和歌山 高嶋監督の特集をテレビで見ました。
去年の夏の甲子園、智弁和歌山が敗れた時に、
高嶋監督はインタビューでこんなことを言っていました。
「岡田が精神的に未熟だったから負けた」
当時二年生エースで、一年生の時からマウンドを任されていた、
岡田君のことを精神的に未熟と非難し、
負けた原因をエース岡田君一人の責任にしました。
普通だったら「負けた原因は監督の私の責任です」など、子供に責任を押し付けるようなことはしませんよね。
高嶋監督はどうやって岡田君の精神面を鍛えるのだろう?
偶然見ていた番組ですが、
高嶋監督がどんな指導をしているのか注目して見ていました。
「褒めて伸ばすより、怒鳴らないと土壇場で力は発揮できない」
怒鳴り声で精神面を強くしてるような言い方でした。
ただ、怒鳴ると言っても子供達を萎縮させるような声ではなく、
私から見るとおじいちゃんらしい^^優しい怒鳴り声でした。
しかし高嶋監督は怒鳴り声だけではありませんでした。
えっ!!!っと驚いてしまったシーンは
高嶋監督が、選手達の部室のゴミ片付けをしていた場面でした。
空き缶、ペットボトル
高嶋監督が子供達の部室のゴミを片付けていました。
最初は疑問に思いました。
「監督が子供のゴミを片付けるなんて、過保護じゃないの?」
「もう高校生なんだから、自分の出したゴミくらい自分で片付けさせれば?」
ゴミを片付けている高嶋監督は
「少しでも子供達を走らせたいから、私が片付けしてますわ^^」
優しそうなおじいちゃんの笑顔で語っていました。
行動なんだな。
思いを伝えるって行動なんだな。
言葉で伝えられない思いは、
自分が動いて伝えるしかないんだな。
岡田君の精神面を強くするには、
自らゴミを拾うことで何かを伝えたかったのでしょう。
智弁和歌山と都城商高校の試合。
岡田君は三振をとるたびに雄叫びをあげていました。
1回戦でみせた目とこの試合の最終回の目はあきらかに違っていました。
試合は1−4で負けてしまいました。
アルプススタンドへの挨拶は選手のほとんどが泣いていました。
しかし、高嶋監督だけはなぜか嬉しそうにニコニコ笑っていました。
和歌山県大会を優勝した祝賀会で
「岡田が成長した」
「岡田がやっと精神的に成長した」
高嶋監督が涙を流しなら語ってるシーンを思い出しました。
このニコニコは、
岡田君が、選手達みんなが、
大きく成長した満足感の笑顔に感じました。