スモールベースボールと聞くと、
「あ〜バント野球ね〜」
小さい野球と感じてしまいがちですが、
この写真がスモールベースボールではないでしょうか?
台湾対日本 7回表日本1死一、二塁、
里崎の犠打で二塁走者宮本が三進。
宮本選手と三塁手が接触しました。
「宮本が絶対にセーフになりたくてラフプレーをした」
ではなくて、
最悪のダブルプレーを阻止した走塁なのではないでしょうか?
1死一、二塁で送りバントが投手の正面に、
1−5−3のダブルプレー、最悪のケースを防ぐ為に、
三塁がアウトになっても、三塁手の一塁への送球を邪魔しにいったスライディングだったと思います。
あの時の宮本選手のスタート、ここでチャンスを終わらせない為、そして1点につなげる為のスライディング。
私は「これがスモールベースボールなんだよ」と息子には教えました。
日本−韓国戦の8回裏 韓国の攻撃
この場面でもスモールベースボールを感じました。
4−2で日本が2点リード。
三番がセンター前ヒット
四番がわざと足を突き出しデッドボール
五番が送って、1死走者二三塁
六番打者がレフトフライで、三塁走者タッチアップで 4−3の一点差まで迫り、二死走者二塁の場面、
次の七番打者が、レフト前ヒットを打ちました。
韓国を応援していた誰もが
「よし!同点に追いついた!」
逆に日本を応援していた誰もが
「同点にされた〜」
と思ったら、
レフトの守備位置は普通以上に前進守備でした。
二塁走者は三塁を回って、戻ってきたボールにあわててベースへ駆け込みましたね。
事前に集めたデータによるあらかじめ予測していた守備位置、もう一点も与えられないケースによる守備位置。
これも、スモールベースボールだと思いました。
日本の野球を見ていると、
「おっ!スモールベースボールだなぁ〜」と感じる場面がたくさんあります。逆に、フィリピンや台湾、韓国には、スモールだなぁ〜と感じる場面がなかなか見当たりません。
北京代表を決めた日の、みなさんのブログを拝見させていただき、とても参考になりました。
日本の小中高校野球はトーナメント戦が多く「絶対に負けられない」トーナメント戦の経験が、この試合で大きくいかされたと、私も感じました。
今のプロ野球選手は、この小中高校野球を経験してきたと思いますから、少ないチャンスを活かし、少ない失点で守りきるスモールベースボールが染み付いているのでしょうね。
スモールベースボールの反対言葉を捜すと、一発長打を狙うパワーベースボールかもしれません。このパワーベースボールを目標にするのは子供達にとって大切かもしれませんが、実は野球というゲームには、大があり小があり、押す所があり引く所もあり、力勝負もあれば、技の勝負もあり、個人で攻めたりチームワークで攻めたり、ゲームの中でいろいろな駆け引きを楽しむスポーツが、野球と言えるかもしれません。
少年野球だから、メジャーリーガーのように楽しくパカパカ打てばいいだろう!
と、考えているのは大人の勝手な勘違いかもしれません。
プロ野球やメジャーリーグの、リーグ戦の戦い方と、トーナメントを勝ち上がる戦い方、日本シリーズのような短期決戦とも違う、「絶対に負けられない」トーナメントの戦い方があるのでしょう。
子供でも、緻密な作戦や、ゲームプランが出来る子もいますし、もしかしたらスモールベースボールを教えてもらいたがってるかもしれません。
私は小さい頃、ホームランバッターではなかったので、相手の隙を見つける細かい野球が大好きでした。
*ほんのわずかにそれたボールで、次の塁を狙う走塁。
*バッターのスイングを見て、切り替える守備位置。
*一打席目を参考にした、二打席目の配球。
*わざと初球を大振りしてから、二球目にサード前へセーフティーバント。
*バッターもランナーが走っていなかったら、ワンバウンドでゲッツーを狙うキャッチャー前のバントフライ。
子供だからこそできる、少年野球だからこそできる、守備や走塁のスモールベースボールもあると思います。
スモールベースボールは、だたバント野球と考えず、
「考える野球」と訳したほうがいいかもしれませんね^^